日大通信 広告論 分冊1

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    1.広告予算の立案に関する問題点(困難性)
    広告費は多ければ多い程売上高が増加するわけではなく、ある一定の限度を超えると収穫逓減の法則が作用し、その効果が次第に減少するし、また、過少であっても効果がない。
    広告費は業種によっては支出する程その効果が大きくなる場合や、支出しても大した効果がない場合もある。
    広告予算の設定はこの広告費支出を適正な水準に維持し、有効に支出されるように統制することを目的として行なわれる。
    広告費の割り当て方策立案に当たり、種々の設定基準がFrey等の先覚者らによって紹介されている。これらは観点を異にするとはいえ、一応の方策立案の基本的基準を呈示しているが、共通して言えることは、広告支出額が生み出す販売効果の正確なる把握の困難性を乗り越えることができず、よって自らその限界を持っていることである。すなわち、売上結果と一定の企業における広告割当額との関係を測定することは任意的で困難ということである。更に、広告におかれるウェイトと広告の反復がもたらす販売効果の困難や、対競争者関係における競争者の現在、並びに予想される将来の行動を推測することによって、割当額を決定する必...

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