日大通信 証券市場論 分冊2

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     デリバティブ(金融派生商品)は主に先物、スワップ、オプションなどの総称である。デリバティブの主な利用目的は原資産に係る将来の価格変動に対するリスクヘッジであるが、投資家の投機目的としても取引されている。
     1.先物取引
     先物取引は一定の証拠金を差し入れて、将来の決められた日(清算日)に、原資産を約定価格で取引することを約する取引である。一般的には原資産及び約定代金の受け渡しは行われず、清算日に清算価格と約定価格の差額の受け渡しで決済される(差金決済)。また、清算日までにいつでも、反対売買による決済が可能である。先物を買建てた(ロング)場合、約定価格より清算価格が上回るとその差額が利益となり、下回ると損失となる。売建てた(ショート)場合はその逆となる。この性質を利用して、先物取引は現物資産の価格変動リスクをヘッジすることができる。例えば、投資家が3か月後にある現物の金融商品(取得価格100円)を取引所の現在価格で売りたいと考える場合、取引所で3か月後が清算日の当該金融商品の先物を売却希望数量分売建てておけば、ヘッジが可能となる。別紙図1の通り、仮に先物を110円で売建てた場合で、清算...

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