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わが国は、政府の統治が日本国憲法(以下、「憲法」と略す。)に基づきなされ、政治権力や合法性が憲法に拘束される立憲主義を採っている。これは、憲法第98条に規定され、憲法がわが国の最高法規であることの根拠である。そして、憲法の最高法規性を担保するために、第81条で裁判所に対し、違憲審査権を付与している。
裁判所の違憲審査の対象となるのは、一切の法律、命令、規則又は処分である。法律とは形式的意味の法律であり、国会の議決を経て制定された全ての法形式をいい、裁判所の違憲審査の対象として、最も重要な意味をもつものである。命令とは、広義では、立法機関以外の国家機関によって制定されたすべての法形式を指すが、狭義では、行政機関によって制定された法形式を指す。規則も法の一形式であり命令に含まれ、政令、内閣府令、省令などを意味するものと解され、憲法上は議員規則(憲法第58条第2項)、最高裁判所規則(第77条)に加えて、会計検査院規則、人事院規則なども含まれ、また、地方公共団体の議会が制定する条例(第94条)、及びその長が制定する規則も含まれるとされる。処分とは、個別的具体的な法規範を定める法形式をいい、行政...