日大通信 商品学 分冊2

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    日本大学商品学

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    現代商品の品質構造を考える―薄型テレビについて―
    もともと高価で富裕層の嗜好品として販売されていた薄型テレビは、生産性の向上等から一般家庭にも手が届くまでの価格低下によって、大幅な市場の成長を遂げた。そして、2011 年の地上デジタル放送完全移行まで、薄型テレビ市場は空前の需要を記録した。薄型テレビの出荷台数は2010 年度には年間2568 万台、2011 年度には年間1660 万台を記録している。それは、従来のテレビでは、別途チューナー等を購入しなければ、地上デジタル放送移行後に一切テレビを視聴できなくなるため、地上デジタル放送を受信できる薄型テレビを購入する必要があったからである。しかし、2012 年度は、ロンドンオリンピックによる需要で盛り上がるはずであったが、2011 年に需要を先食いした結果、薄型テレビの出荷台数年間約575 万台と大幅に縮小した。このため、2011 年度までは各メーカーとも、ひたすら量を売ることを戦略としていたが、販売低迷により、改めて商品の質(品質)を見直さざるをえなくなった。
    ここで、品質とは、消費者が商品によって満足を得る質的な評価をいい、品質には一次...

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