学歴社会とは何かを明らかにし、高学歴化が進行すると教育はどのように変化するのかについて学力の視点から述べよ。
学歴社会については、混同されやすい高学歴社会という言葉と比較しながら説明したい。高学歴社会とは、ただ単に高学歴者の多い社会である。具体的には、高校を卒業した後に大学などの高等教育機関への進学率が50パーセントを超える社会と定義されている。
一方の学歴社会の意味は「学歴の高い人が社会的地位や職業的地位の高い位になりやすい社会」である。学歴の高い人間がいい職業、いい評価を得られやすい社会である。高学歴社会でも学歴社会でない社会もあれば、低学歴社会でも学歴社会の国は論理的には存在する。たとえば実力主義、能力主義といわれるアメリカ合衆国は高学歴社会でも学歴社会とは言われていない。学歴社会=高学歴社会というわけではない。
学歴社会に対しては古くから様々な批判がされてきた。就職や結婚、昇進する上で大学のネームバリューが少なからず影響を与えている。就職や結婚、昇進に大学の名前が関係することは差別である、そんな批判も聞こえてくる。さらに受験戦争に子どもが巻き込まれているというような、学歴...