西欧近代、現代の保育思想や保育事業の流れについて概説し、歴史的に培われてきた保育観や子ども観について述べなさい。
「子ども」は古代から中世において「小さな大人」として生産活動が行なえる子どもが優秀な「子ども」であると考えられてきた。
近代に入ると、その様子を辛辣な気持ちで見続けた思想家達によってあるべき保育思想が確立されていく。それは現代の保育教育にも繋っていく。
ルソーは自然に発現する子どもが持つ「内なる可能性」に任せた「消極的教育」を掲げて「児童中心主義」を掲げた。教育には3つの要素を必要とし、子どもが持つ内なる可能性『自然』を適時に『人間』によって引き伸ばす、その可能性を引き出すための『環境』による教育を通し、人間の神的な「生きる力」を身に付けることができるとした。後にペスタロッチ・フレーベルに影響を与えた。
ペスタロッチはルソーの善=本性としたのに対し、彼は人間には善・悪、神的・動物的本能を備えているとした。愛を基調とした心情・精神・自己活動を教育に取り入れ、調和を図ることで「人間性の完成」を目指した。
次に日本の保育思想・事業に影響を及ぼしたフレーベルを取り上げる。神的な内発的発達、性善説原理の発現を伸ばす教育を行なうことによって、後天的に傷つけられる善を守り抜くことが出来るとも説い...