言葉の意味が脈絡によって異なる場合を、例をあげて説明しなさい。
『言葉の意味が脈絡によって異なる場合を、例をあげて説明しなさい。』
言語がもつ重要な機能は、伝達(communicative function)である。この「伝達」を行う際、大きな助けとなるのがシチュエーション、「脈絡」である。
例えば日本語における日常的な文や発話は、主語や目的語が明示されない場合が多々ある。英語なら「I love you.」となるところが、日本語では「好きだよ」で済んでしまう。ここには、「私は」「あなたを」という意味が明示されずに隠されている。
しかし例えばある食べ物を指さし、「あなたはこの料理が嫌いか」と尋ねていたとすれば、それに対して「好きだよ」と答えたとしても、聞いた者は一般的に「私はあなたが好きだ」という意味にはとらない。そこには「いいえ」「私は」「その料理は」という言葉が明示されないまま、しかしその状況においては意味がはっきりした状態で表現されている。
つまり言葉は同じものを持ってきたとしても、文脈や状況によってその都度、意味が異なってくる場合があることになる。
単語が、その内に複数の意味を持っている場合もある。英語「strike」には①打つ、②同...