具体的な作品を挙げながら文学の種類をジャンル別にまとめ、それぞれのジャンルの特徴について自分の考えを述べよ。
『具体的な作品を挙げながら文学の種類をジャンル別にまとめ、それぞれのジャンルの特徴について自分の考えを述べよ。』
文学の種類をジャンル別にまとめるにあたり、その基準を「視点」にしたいと思う。これは文学、たとえば小説を書くにあたり、どのような形式をとるかという問題である。どういう形の小説であれ、人や事物を誰かの目で描写する以上、そこには観察の有無だけがある。つまり「見る」と「見られる」関係をどう書き表すかということである。
一般に視点の形式はいくつかあり、大きく分けて、①一人称小説、②二人称小説、③三人称小説、④神の視点が挙げられる。
一人称小説
主人公の視点で語る形式、つまり大抵の場合において、「私」によって語られる作品である。日記・書簡体、もしくは私小説がそうであるし、一定の主人公を作った上で、その視点を通して物語が展開する、事件を追及するものもそうである。
梶井基次郎『檸檬』や、遠藤周作『海と毒薬』、などは一人称で描かれている。
書簡体といえば、私は『ゴッホの手紙』やラクロ『危険な関係』、日記体といえば『アナイス・ニンの日記』を思い出す。他にも、柳田国男『日本の伝説』や、沢木耕太...