<目的>
親子関係と非行性との関係については、従来数多くの研究がなされているが、ほとんどの場合い、
非行少年との単純な比較におわり、従って親子関係と非行性との具体的な結びつきを
明らかにしえていない。
特に親子関係の障害が子供の何らかの障害と関係があることは明らかにしても、
どういう点でそれが「非行性」に結びつくか、つまり非行少年に特有のものになるかということは明らかに
しえていないのである。
この点を明らかにするため、無非行孤立少年をも含めて、親子関係の問題を考慮し、
親子関係の多くの歪みが、子供の情緒障害一般と密接に関係することを認識しながらも、
それが「非行性」と結びつくのは、「社会的人間関係からの自己疎外」を子供に起こさせ継続させるよう
な親子関係であることを確認した。
具体的には、親(ことに母親)の拒否・放任、子供の反抗という、相互の意識的、行動的疎外が、
「非行性」の問題としてクローズアップされるのである。
そこで今回は、前研究の補足として、以上の仮説を前提とし、
1)孤立非行少年を含め、
2)親子関係を個々の要因比較でなしに家庭全体の型との...