経済生活の発展と生活コスト
<経済生活の発展と少子化現象>
・経済成長と行政コスト
成熟化社会は、過去の経済成長の結果として成立する。日本の成熟化社会の中では90年代半ばから、死亡者数が急激に増加し、これに対して出生者数が持続的な低下傾向を示しており、まさに少子化現象が続いている。つまり、生まれてくる人の数ももとより減少しているのであるが、それよりも死ぬ人の数が急速に増えたのであり、今後も当分、出生者数が死亡者数を上回ることはないという現象が起きている。
このような社会の出現を、われわれは決して望んではいないはずである。では、どのような社会を描き、そのためにどのような政策を採ればよいのであろうか。
われわれの経済生活とは、言うまでもなくいのちの循環を意味する。われわれの遺伝子・本能は「国富論」を書いたアダム・スミスがいったように利己的・自己保存的である。つまり、利己的・自己保存的ないのちの循環とは衣食住の生活があり、さらに仕事や遊びも伴った
自己保存の環境であるといえよう。
そして、このようないのちの循環を豊かなものにしたいというわれわれの欲望が、ケインズ的な公共投資と経...