S0101 教育原論 第2設題
『ジョン・ロックにおける子どもの教育論、特に習慣形成や賞罰法を中心に述べよ』
ジョン・ロックの教育の原点はタブラ・ラサ説(精神白紙説)である。タブラ・ラサとは、心の中には生まれながらに刻み付けられた観念や原理などはないという考えのことである。「心は、言ってみれば文字をまったく欠いた白紙で、観念は少しもないと想定しよう。どのようにして心は観念を備えるようになるか。人間の忙しく果てしない心像(ファンシイ)が心にほとんど限りなく多種多様に描いてきた、あの膨大なたくわえを心はどこから得るか。どこから心は理知的推理と知識のすべての材料をわがものにするか。これに対して、私は一語で経験からと答える。この経験に私たちのいっさいの知識は根底を持ち、この経験からいっさいの知識は究極的に由来する。」とロックは述べている。観念の起原はあくまでも経験であり、我々の側にあるのはせいぜいそれらを認識し、加工する能力だけである。子どもは成長するにつれて、教育によってさまざまな観念を獲得するようになるのであり、これは経験主義的な考えと言い得る。感覚によって一つ一つの対象についてわれわれの...