食事療法・栄養療法を受ける患者の看護
Ⅰ 食事・栄養療法
疾患において、治療は、障害臓器の組織修復と、失われた機能の正常化を目標とする。
消化管の機能維持
消化管は、栄養素を消化吸収するほかに、ホルモンやペプチドを分泌し、腸管粘膜の形態および機能を維持し、付属リンパ組織からは免疫グロブリンを、上皮からはムチンを分泌し、腸管からの病原体の進入を防御している。これらの消化管の機能維持には、消化管からの栄養補給が重要であることがわかつてきた。また十分な栄養補給は、消化器だけでなく生体全体の健全な機能維持に欠かせない。
庇護的側面と積極的側面
消化管に急性の炎症や活動性の潰瘍があり、腸管運動や分泌機能亢進を伴う状態では、刺激性の食品や消化の悪い食物摂取による胃腸への負担を避け、局所の安静を保つ必要がある。
一方、潰瘍などの治癒を促進させ、消化管の正常機能維持を図るためには、必要な栄養を供給しなければならない、
すなわち、食事・栄養療法には消化管に対する庇護的な側面と、逆に栄養やエネルギーを供給し、正常機能を維持する積極的な側面とがあることを忘れてはならない。
静脈栄養剤や経腸栄養剤の活用
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