浮腫
浮腫とは、いわゆる「むくみ」のことで、皮下組織に液体が貯留した状態である。これは細胞外液のうち組織間液が異常に増加し、皮膚が腫脹してみえる状態を指している。多くは皮膚を圧迫するとその部分がへこんで戻らず、圧痕を残す。
1.浮腫の原因
浮腫は種々の原因によって生じるが、全身性生に生じるか局所性に生じるかによって臨床的重要度が異なる。また、頻度としては全身性浮腫が全体の8割程度そのなかでも心性浮腫と腎性浮腫で過半数を占める。
2.心性浮腫の成因
心性浮腫の成因は2つある。1つは収縮性心膜炎、心タンポナーデ、肺性心、肺塞栓など主に心臓の拡張の障害により静脈系にうっ血を生じたもの、もう1つは僧帽弁・大動脈弁疾患、陳旧性心筋梗塞、拡張型心筋症など心臓の収縮の障害によって心拍出量が減少し腎血流低下が生じたために起こるものである。
前者は静脈系のうっ血により静脈圧が上昇し、毛細血管から組織へ水やナトリウムの移動が起き、浮腫が生じる。後者は心筋の収縮不全により腎血流量が減少することにより、レニン・アンギオテンシン、アルドステロンの分泌亢進を引き起こし、水やナトリウムの排泄を抑制することで循環血液...