高血圧症
高血圧症(hypertension)は最も頻度の高い疾患の一つであり、放置すると心血管系に種々の合併症を生じる。しかし、多くの場合自覚症状がほとんどないため、健康診断などで測定しない限り高血圧症を確認することができない。また、血圧は常に変動するものであり、1回の測定値が高いからといって高血圧症とは確定できないということも注意を要する点である。
症状
高血圧症を起こす原因疾患の有無によって、本態性高血圧症(1次性高血圧症)と2次性高血圧症に分類される。本態性高血圧症の場合、多くは無症状であり、合併症が生じた場合に、それに基づく症状を示すと考えられる。2次性高血圧症では、それぞれの原因疾患に基づく症状が認められる場合がある。
高血圧症を放置すると、心血管系の臓器障害が引き起こされ致命的な合併症を生じる危険がある。負荷のかかる心臓および血管の病変によっていろいろな臓器障害が生じる。
分類
〈本態性高血圧症〉
高血圧症のほとんど(約90%以上)が、特に血圧を上昇させる原因疾患のない、本態性高血圧症である。わが国では加齢とともに高血圧症の頻度が増加するが、食塩摂取量の少ない地域ではこの...