検査の方法と看護
1.X線検査
心臓、大血管のX線検査では、胸部の単純X線撮影が行われる。正面像はX線が背腹の方向となるように撮影する(a)。左右の突出部を左第1~4弓、右第1~2弓とよび、心血管の異常で拡大または縮小する。側面像は右方から左方に投影する(b)。また第1斜位は右前に450の斜めの位置で(c)、第2斜位は左前に45。の斜めの位置で撮影する(d)。
X線検査により心臓の形、拡大、大動脈、肺動脈、上下大静脈、また側面象第1斜位、第2斜位では左心室、右心室、大動脈、下大静脈の状態を知ることができる。同時に食道造影を行うと、左心房の拡大の程度が把握できる。心臓の大きさを比較するのに、心臓の最大横径と胸郭内側の最大横径の比、すなわち心胸郭比(CTR)を用いることが多い。一般に50%以上を異常としている。これ以上の場合、弁膜症心筋梗塞や先天性心疾患などの診断の目安となるまた、肺うつ血胸水、気胸、肺炎などの診断を行う。
2.心電図
心電図は、心臓の収縮、弛緩の電位を体表面からとらえたもので、これをグラフ化して記録する。心電図は、心臓の活動を最も早く、非観血的で簡便な方法で得ることができ...