薬物療法を受ける患者の看護
Ⅰ 薬物療法の理解
1.薬剤の選択と投与の際の注意
循環器疾患の治療に使用する薬剤は、降圧薬、強心薬、利尿薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗血栓薬などが主なものである。多くの場合病状に応じて薬物の種類量が決定したら、その後の状態を観察しながら調節し、以後維持量を継続して服用していくことになる。
同じ効果をもつ薬剤でも、吸収の経過や作用機序、副作用が異なるので、患者の年齢、病状、身体的条件などを考慮して、使用する薬剤を決定する。また、薬剤によっては、他の薬品だけでなく、食品の成分と拮抗するものもあるため、使用薬剤に関しては、正確に情報を得ておく必要がある。
加えて、循環器疾患に対する薬剤は、循環動態を調整するものが多く、正確な投与のための管理が重要で、副作用が出た場合には、迅速に対応することが必須である。これらの治療薬は、急性期には、主に注射薬として使用し、回復期、慢性期には内服薬として使用することが多い。
2.薬物療法のポイント
1)投与する薬剤に関する正確な知識
薬剤の作用、副作用、適正使用量、拮抗薬・相乗効果をあげる薬剤の有無、食品成分との拮抗作用の有無、血...