子どもの体温を調整することへの援助
(罨法:温罨法、冷罨)
体温を調節するための罨法には、保温を目的とした温罨法と、解熱を目的とした冷罨法がある。子どもは体温調節機構の発達が不十分であるうえに、体重に比べての体表面積が大きく、不適切な罨法が思わぬ弊害を及ぼす可能性がある。子どもの発達段階や状態に合わせた罨法の実施と観察が重要である。ここでは、体温を調整するための罨法の種類と方法について述べる。
ナーシングポイント
子どもの温電法・冷電法の目的がわかる
子どもの発達段階や病状に合わせた電法の選択と実施ができる
電法を実施している子どもの観察ができる
1.罨法とは
罨法は、人体の体温が生理的範囲内にあるように援助する行為である。温熱刺激は体温への影響はほとんどないといえるが、皮膚温の上昇には効果があるといわれる。寒冷刺激は体表面で触れやすい太い血管を冷やすことで、血管温が低下し、体温を下降させる効果が期待できる。温罨法・冷罨法それぞれの目的について、以下にまとめる。
A 罨法の目的
1)温罨法の目的
(1)体温上昇時の悪寒・冷感に伴う不快の緩和
(2)低体温時の皮膚温度の上昇
(3)体温低...