小児にみられる主な症状と看護
1 小児にみられる症状の特徴
小児にみられる各種の症状は、小児の解剖生理学的な特徴によってその現れ方が成人とは大きく異なる。また、小児の場合には、言葉の発達が十分でないなどのために、成人とは異なった訴え方となる。たとえば、乳児では言葉で訴えることができず、また幼児になり言葉で訴えることができたとしても明確に表現できないことが多いといったことがそれである。年少であるほど、身体の異常は全身症状として現れ、診断が確定する前に悪化し、急変しやすい。そのため、小児の症状や異常をできるだけ早期に発見し、適切な処置を行わなければならない。小児看護では、診断がつく前に、症状に合わせた適切な看護が特に必要とされる。そのため、小児に起こりやすい症状の特徴や病態生理、その背景にある疾患について知識を深めていくことが大切である。また症状の観察を行うことは、診断の助けとなる情報を得る貴重な機会となる。そのため症状を観察し対象者の状態を把握することは非常に重要である。
A 解剖生理学的な特徴
①体表面積が大きい。
②呼吸中枢が未熟である。
③気道が狭い。
B 症状に関する特徴
①症状...