躁うつ病
躁うつ病(manic-depressive psychosis)は、統合失調症と並ぶ内因性精神病の代表的疾患で、気分障害、感情障害もいう。
感情が高揚する躁状態と、反対に抑制されるうつ状態の2つの病相がある。躁とうつを繰り返すものを双極型、うつだけを繰り返すものを単極型とよぶ。後者の発現頻度が最も多く、前者がこれに次ぎ、躁状態のみを繰り返すものははるかに少ない。
発病率は0.5%前後とされているが、実際にはもっと多いという見解もある。
1)発病年齢
双極型は20~30歳代に、単極型は30~50歳代に発病する。
また、老年期に発病するものもあり、統合失調症に比べると発病年齢の幅ははるかに大きい。初老期に発病するものを初老期(退行期、更年期)うつ病、老年期に発病するものを老年期うつ病とよぶことがあるが、ともに青壮年期に発病するものと本質的には同じであるとされている。
2)原因
発病の原因はいまだ不明だが、脳内神経ホルモンの増減や受容体(レセプター)の異常が発病に関与しているとする研究が進んでいる。
1.特徴
躁うつ病の特徴として、以下のようなものがあげられる。
(1)一般状態
①...