主な治療・処置に伴う看護
1.薬物療法
呼吸器疾患に対する薬物療法で使用する頻度の高い薬剤としては、鎮咳薬、去痰薬、気管支拡張薬、抗菌薬、抗結核薬、副腎皮質ステロイド薬、抗癌薬などがある。
1.鎮咳薬
1)治療上の留意点
咳嗽(咳)は、気道内の異物や分泌物を排除するための生体防御反応として生じる情しかし、鎮咳薬はあくまでも咳を鎮めるという対症療法にすぎないので、咳嗽を生じる原因疾患の診断および治療が重要である。
咳嗽は一般に、喀痰を伴わない乾性咳嗽と、喀痰を伴う湿性咳嗽とに分けられる。
慢性気管支炎、気管支拡張症、び漫性汎細気管支炎(DPB)などでみられる湿性咳嗽に対して強力に鎮咳薬を使用すると、気道内に貯留した喀痰などの分泌物の排出を抑制し、換気障害や気道感染を誘発する可能性がある。そのため、これらの疾患では、喀痰の排出を優先させることが大切である。
2)鎮咳薬の種類と用法
鎮咳薬には、以下のものがある。
(1)中枢性鎮咳薬
延髄にある咳中枢を抑制することにより鎮咳効果を示す。中枢性鎮咳薬は、麻薬性と非麻薬性とに分けられる。
中枢性鎮咳薬の適応疾患は、肺癌、癌性リンパ管症、問質性肺炎...