論証:「特に有利な金額」の判断基準

閲覧数2,806
ダウンロード数0
履歴確認

    • ページ数 : 1ページ
    • 全体公開

    資料紹介

    資料の原本内容

    論証:「特に有利な金額」の判断基準
    前提 株式の発行又は自己株式の処分が「特に有利な金額」により行われる場合、募集事項の決定に株主総会の特別決議が必要となる(199条2項、201条1項、309条2項5号) 問題提起 「特に有利な金額」とは、公正な価格よりも特に低い金額をいうところ、公正な価格の算定基準が明らかでなく問題となる。 理由 この点、払込金額は、旧株主の利益と会社が有利な資金調達を実現するという利益との調和という観点と、新旧株主の間における公平の観点から算定されるべきであると考える。 結論 そこで、原則として、企業の客観的価値を反映して形成される株価を算定の基礎とすべきである。 例外① もっとも、株式が市場において極めて異常なまで投機の対象とされ、市場価格が企業の客観的価値よりはるかに高騰し、しかも、それが株式市場における一時的減少にとどまるような場合に限っては、もはや企業の客観的価値を反映しているとはいえないため、これを株価算定の基礎からはずし、高騰以前の株価を算定の基礎とすべきである。 例外② また、株価の高騰が、企業提携を機運としたシナジーに由来する場合、形成された株価は企業の客観的価値を反映しているとは認められるが、これを株価算定の基礎としなければならないとすれば、企業提携に寄与した新株主の利益を著しく害する。そこで、新旧株主の公平という観点から、これを株価算定の基礎からはずし、高騰以前の株価を算定の基礎とすべきである。

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。