論証:経営判断原則

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    論証:経営判断の原則
    経営判断原則とは、取締役の経営判断が会社に損害を与える結果となっても、当該判断が誠実かつ合理的な範囲でなされた場合には注意義務違反とはならないという法理をいう。 思うに、 取締役は、会社の経営に関し、善管注意義務を負っているが(330条、355条)、企業の経営判断は不確実かつ流動的で複雑多様な諸要素を対象にした専門的、予測的、政策的な判断能力を必要とする総合的判断である。とすれば、取締役がその権限の範囲内で会社のために最良であると判断した場合には、基本的にはその判断を尊重すべきであり、これにより初めて取締役を萎縮させることなく経営に専念させることができ、結果、会社は利益を得ることが期待できる。 よって、 このような経営判断の性質に照らし、取締役の善管注意義務又は忠実義務違反の有無は、①判断の前提となった事実の認識に不注意な誤りがないか、②意思決定の過程が通常の企業人として著しく不合理なものであないか、という2点から判断すべきである。

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