教育職員免許法の改正がすすめられた背景
国際化・情報化・環境破壊など地球規模で急速に進んでいる社会変化への対応や少子化・高齢化が進む日本国内における社会変化への対応が必要とされていた。
いじめ・不登校・自殺・学級崩壊に代表されるような学校現場を中心とする教育問題の解決が緊急の課題となっていた。
1989年の学習指導要領の改正の際、「個性を生かす教育の充実を図ること」がポイントとされた。個性を生かす教育を行うためには、「個性豊かな教員」の養成・採用、及び資質・能力の維持・発達のための研修が必須となるが、これまで教員の「個性の伸長」や「得意分野づくり」が強調されたことはなかった。
これらの諸問題を解決するために、教育職員養成審議会が1997(平成9)年7月28日に発表した「新たな時代に向けた教員養成の改善方策について」と題する『第一次答申』が教育職員免許法改正の直接の出発点となった。ではこの改正で具体的には何が変わったのかを中学校教諭一種免許状を例に左記に記す。
第一に、教員免許状取得に必要な単位数のバランスの変更があげられる。今回の改正では総単位数は変わらないが、教職に関する科目の...