① 臓器提供に対する本人の意思を尊重できるか
脳死は事故など、突然起こることが多い。唐突な状況に加え、いずれ死に至ることを告げられたとしても、まだ温かみのある肉体を目の前にすれば、死を受け入れられない。
② 脳死を受け入れられないままに、臓器移植の話がされる
絶望感の中で、移植の話を提案され、自分の意思で大切な命を絶つ決断をしなくてはならない。
③ 移植を決断すれば、急を要する
移植の手続きに追われ、死にゆく時間を大切にされないまま、移植手術に向かうことも多い。
④ 「遺体」に傷・・・
臓器移植は「遺体」に傷をつけ、臓器を取り出さなくてはならない。日本人の死生観からすると、きれいな「遺体」のまま、送り出したいという気持ちがある。
⑤ 移植するしないにかかわらず、「これでよかったのか・・・」の気持ち
移植直後からその後も、簡単には割り切れない、払拭しにくい感情があり、長い間苛まれる。