ヒトは恒温動物であり、個人差はあるが体温はほぼ一定に保たれている。これは、体内の物質代謝に働く酵素系の活性がほぼ37℃で働くからである。
平均正常体温は口腔内で測定した場合36.6~37.2℃である。直腸温はこれより0.6℃高くなる。体は熱を常に産生し、一方で拡散し、このバランスで体温が決定される。
1. 熱産生・熱放散と体温調節中枢
熱産生は細胞代謝によるものと筋肉の活動によるものがある。寒い時に体が震えるのは筋肉を活動させ、体温を上昇しようとする体に備わった調節反応である。
熱産生は主に代謝の盛んな臓器によって多く産生される。内訳としては筋肉によるものが68%(骨格筋59%、呼吸筋9%)肝臓22%、心臓4%、その他が2%である。
ヒトは安静時体重1kgにつき一時間に約1kcalの熱を産生する。これを基礎代謝という。
発熱専門の組織として褐色脂肪組織がある。この組織は自身の持つ脂肪を燃やして熱産生を行っている。
褐色脂肪細胞は白色脂肪細胞と比べ
体温の調節について述べよ。
ヒトは恒温動物であり、個人差はあるが体温はほぼ一定に保たれている。これは、体内の物質代謝に働く酵素系の活性がほぼ37℃で働くからである。
平均正常体温は口腔内で測定した場合36.6~37.2℃である。直腸温はこれより0.6℃高くなる。体は熱を常に産生し、一方で拡散し、このバランスで体温が決定される。
熱産生・熱放散と体温調節中枢
熱産生は細胞代謝によるものと筋肉の活動によるものがある。寒い時に体が震えるのは筋肉を活動させ、体温を上昇しようとする体に備わった調節反応である。
熱産生は主に代謝の盛んな臓器によって多く産生される。内訳としては筋肉によるものが68%(骨格筋59%、呼吸筋9%)肝臓22%、心臓4%、その他が2%である。
ヒトは安静時体重1kgにつき一時間に約1kcalの熱を産生する。これを基礎代謝という。
発熱専門の組織として褐色脂肪組織がある。この組織は自身の持つ脂肪を燃やして熱産生を行っている。
褐色脂肪細胞は白色脂肪細胞と比べ、細胞事態が小さく、細胞内にミトコンドリアが多く、チトクローム酵素を豊富に持っている。
また交感神...