学歴社会とは何かを明らかにし、高学歴化が進行すると教育はどのように変化するのかについて学力の視点から述べよ。
子どもを取り巻く環境は大きく変化している。情報化、国際化、少子化、高齢化などの社会の変化は、子どもたちの生活に大きな影響を与えている。それぞれの変化が子どもたちの未来を大きく広げ、子どもたちの個性や能力を育む可能性を持っているが、その一方で従来の日本社会の特徴と相まって子どもたちと関わる様々な問題と課題を生み出している。学校においては、いじめ、不登校、差別事象など、様々な人権問題が発生している。学歴偏重社会のなかで、子どもたちは偏差値という価値観を押し付けられている。そこで子どもたちの間では、競争が助長され、仲間作りが難しくなっている。また、お互いを疎外したり排除したりする傾向も見逃すことにできない。この現状から、人権教育の推進は、まさに緊急の課題となっている。
これまでの日本では、学歴社会はあまりいいイメージをもって語られることはなかった。「受験地獄」や「偏差値輪切り体制」などという言葉とともに用いられ、その人間が内面的に持つ「本来の資質」を考慮せずに、うわべの「勉強ができ...