【日大通信】0314 国語学講義 分冊1

閲覧数2,055
ダウンロード数11
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    課題「次のA・Bに掲げた事項から、それぞれ一つずつを選び、八〇〇字から一〇〇〇字程度で説明しなさい。(両方で一六〇〇字から二〇〇〇字以内となるように) A ・上代特殊仮名遣 ・万葉仮名 ・ク語法 B ・和漢混淆文 ・音便の発生 ・仮名の誕生」
    合格リポートです。上代特殊仮名遣と仮名の誕生を選択しています。参考にどうぞ。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    最初に上代特殊仮名遣いについて述べる。
    国語とは元来、母音のみ、または一つの子音と一つの母音とからなる、直音だけの開音節語であった。奈良時代の『古事記』『日本書紀』『万葉集』などにおいては「キ・ヒ・ミ・ケ・ヘ・メ・コ・ソ・ト・ノ・ヨ・ロ」及びその濁音に二種類の音があった。また、ア行とヤ行の「エ」も別音なのだが、これがア行の「エ」/e/ とヤ行の「エ」/je/の相違であるのに対し、他は母音の差異と考えられ、それぞれ甲類・乙類とされる。これ以外にも、動詞の活用の種類や活用形において、これらはきちんと区別されていた。上記のような事情で、奈良時代には八十七(『古事記』のみ「モ」似も二つの音があるので八十八)の音節が存在していた。これを上代特殊仮名遣いと呼ぶ。
    右記のような音韻組織の解明は、万葉仮名の整理によって始まった。主な研究者は、江戸時代の国学者・本居宣長、その弟子の石塚竜麿であり、彼らの後、学校文法の創始者として知られる橋本進吉によって再度注目されることとなる。橋本は「上代の文献に存する特殊の仮名遣と当時の語法」という論文で冒頭に示した上代特殊仮名遣いの特徴を指摘している。ここで橋本は上...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。