■教員養成制度の歴史と教員養成課程の問題について述べよ
教員養成制度の歴史として1872年(明治5年)8月に「学制」が頒布され、近代学校教育制度が始まった。だが、その教育を担う教員の用意ができてはおらず、小学校教員の養成は、各府県に設置された師範学校で行い、中等学校の教員の養成は、高等師範学校が主に行い、これを教員検定制度が補う形をとった。その養成制度に関しても、基本的に閉鎖的な直接養成制度であり、卒業後は指定された学校への就職が義務付けられた。つまり、就業する学校を選択する自由は無かったのである。これは現在では考えられず、この点からも教師という職に就くことへの抵抗が生じるであろうと想像できる。
また、この制度が教員の需要に十分対応していたかというとそうではなく、訓導と呼ばれる正規の教員が不足しおり、受業生とか受業生補と呼ばれるもので対応することが行われていたのである。これは正規の教員では無い者から学び、その被教育者が正規の職員となると推測されるが、これは果たして正しいことなのであろうか。そのような教育者に対して絶対の信頼を置くことは不可能であるし、被教育者自身の学んだことに対する自信...