捜査段階で参考人が虚偽の供述をし。捜査官がそれに基づいて供述調書を作成した場合、参考人の罪責を検討せよ。
刑法2 分冊2
捜査段階で参考人が虚偽の供述をし、捜査官がそれに基づいて供述調書を作成した場合、参考人の罪責を検討せよ。
供述調書は、捜査機関が取り調べで被疑者や参考人などの供述を記録した文書である。刑事訴訟において、供述調書は一定の条件の下で証拠能力が認められれば、裁判の行方を決定的にすることも考えられる。わが国の刑事訴訟法は、第317条で「事実の認定は、証拠による」と規定しており、この証拠裁判主義という考え方の指す「証拠」とは、適正な証拠調べを経た証拠能力のある証拠のことである。
通常、人の供述は誤りが混入する可能性が高く、反対尋問を経ていない供述証拠は証拠能力が認められない。つまり、供述調書も人の供述を書面としていることから証拠能力がないことがいえる。しかし、伝聞法則を徹底した場合、証拠が限定されすぎて訴訟遅延や事案の真相究明が困難になるなど現実的でないため、伝聞法則の例外規定においては供述調書に証拠能力が認められる場合もある。
他人の刑事事件に関して証拠の利用をさまたげる罪に、刑法104条の証拠隠滅罪がある。証拠隠滅罪にいう証拠とは、犯罪の成否・態様、刑の軽重に関係を及ぼすべ...