信教の自由について
日本国憲法で規定されている自由権は、精神的自由、経済的自由、人身の自由に大別されている。さらに精神的自由には、その根底をなす「内心の自由」を保障する包括的規定である思想及び良心の自由(第19条)と個別的規定である信教の自由(第20条)、集会、結社、表現の自由(第23条)に分けられる。
信教の自由の歴史は、寛永16年のキリシタン制礼にさかのぼる。当時江戸幕府は島原・天草一揆を契機に、キリスト教信者が政治的圧力をかけてくるのを恐れ、キリストの像を足で踏ませることにより、キリスト教の禁圧を行ない、思想、良心の自由及び信教の自由を極端に制限した。しかし諸外国が相次いで信教の自由を保障し始めたことを受け、明治時代に制定された大日本帝国憲法で、一部の宗教の信仰を制限するという条件付きで信教の自由を保障した。戦後に日本国憲法以外で信教の自由を保障した法典として、1948年に採択された世界人権宣言第18条や国際人権規約B規約第18条がある。
第20条第一項では「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」としている。...