日本史概論2 三大改革&大久保政権

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    一 江戸幕府では五代将軍綱吉のころから深刻な財政問題に直面した。貨幣改鋳が実施され財政は一時好転したものの、物価の高騰をまねき経済は混乱し再び財政難に陥った。その後、新井白石が貨幣の質を高める改鋳を行ったが、さほど効果は上げられなかった。

    八代将軍についた吉宗は、幕政を家康時代に戻すことを目標に、享保の改革と呼ばれる改革を実施する。主な内容は以下の通りである。一、将軍権力の強化。二、目安箱の設置。三、足高の制を設け有能な人材を登用。四、倹約令の実施や不良代官の整理など綱紀粛正。四、金銀相対済令の実施。五、江戸の商人や職人の組合を通じての物価・商業の統制。六、質流地禁令の実施(反対騒動のためのち撤回)。七、上げ米制の実施と新田開発、主穀外作物栽培の奨励、定免法の実施。八、公事方御定書の制定。以上の改革は民衆の信頼を基礎に幕藩制国家の原則を確立させようとしたものであったが、財政が好転しなかったため、結局貨幣改鋳と年貢増徴を行ったため、百姓一揆が起こった。この改革は幕藩制社会の矛盾が芽生えていることを物語る改革でもあった。

     享保の改革の後、田沼意次が政治の実権を握ったが、飢饉や災害も重...

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