健康科学A-3

閲覧数1,415
ダウンロード数1
履歴確認

資料紹介

資料の原本内容

火曜2限 健康科学A実習レポート
2008年7月22日(火)提出
最大酸素摂取量の推定
実習実施日:2008年4月22日, 2008年7月8日
<目的・テーマ>

(1)課題1
 自転車エルゴメーターを用いて、心拍数の測定・最大酸素摂取量の推定を行う。
(2)課題2
 体格の計測や体脂肪率の測定を通して、測定値と理想値との比較を行なうことで、
 客観的な数値として現状を把握する。

この二つの課題について、クラス平均の数値と全国平均の数値の比較・自分の測定結果とクラスの測定結果の分布表(グラフ)との比較を行う。
また、4/22と7/8のデータを比較することにより、約3か月間の変化の有無、その原因について考察する。
<方法>

実習は4/22及び7/8の二回行うものとし、結果を男女別に示す。また実習書の内容を参考に結果、考察を示す。

(1)課題1
▼酸素の消費(または摂取)量 (VO2) は、肺で赤血球中のヘモグロビン (Hb) と結合し、心臓のポンプ作用によって全身に送り出された酸素が各組織で利用される量を指す。運動に伴う心拍数とVO2の増大には正の相関があるとされており、しかも最高心拍数は年齢からおおよそ推定することができるので、最高心拍数に至らないような運動でも、大体の VO2maxを間接的に推定することができる。
従って、このVO2を求めるために、自転車エルゴメーターをこぐことによる心拍数の変化の測定をし、資料1・2として添付したオストランドのモノグラムを用いる(推定の原理の詳細は資料2参照)ことが有効である。これは最大以下の強度での運動に対する循環器系(心拍数)の反応から、VO2を推定するというものである。また、考察資料として資料4:日本人の年齢及び性別VO2maxの標準値を添付する。
▼測定方法
①三種の負荷値でそれぞれ3分ずつエルゴメーターをこぐ
②平均より持久的体力が少ないと自覚しているものは規定の数値(70W→100W→
 120W)より10~20W小さい負荷で計測するなど、体力の個人差を考慮して実施す
 るのが望ましい。注意すべきことは負荷1で心拍数が120以上負荷3で170以下
 となるように負荷強度を設定する。(心拍数が120~170の範囲を超えると、別紙
 のモノグラム:手順④参照からVO2の正しい推定ができない)
③被験者は9分間連続してペダルをこぎ、回転数を60rpmに維持し続ける。横に実
 験者が立ち、各負荷段階で2分50秒経った時心拍数を記録し、次の負荷値の設定
 を行う。被験者が回転数の維持に専念できるように、実験者が全ての設定および
 記録を行うように配慮する。

(2)課題2
▼身長、体重、体脂肪率、BMI(Body Mass Index)をそれぞれ記録する。
ただしBMIは、体重(kg)/身長(m)^2で求められ、国際的に広く利用されている体格を評価する指標である。値が身長の高低に影響されず、体脂肪率との相関が認められているため(結果を参照)、肥満度の簡易評価表として用いられる。また、BMIは疾病合併率とも深い関係がある。(実習書の一部を資料3として添付)
VO2max

男子①

男子②

女子①

女子7

25-30

2

1

0

0

30-35

2

1

1

0

35-40

2

2

3

1

40-45

3

5

3

4

45-50

8

3

1

2

50-55

2

2

2

6

55-60

4

5

1

2

60-65

1

4

2

0

65-70

0

2

0

0

70-75

0

1

0

0

75-80

1

0

0

0

合計

25

26

13

15

<結果>

以下のグラフは資料5に基づく。

ⅰ)最大酸素摂取量VO2max度数分布表
ⅱ)最大酸素摂取量VO2maxグラフ
 
①男子

4/22 分散 
7/8  分散 

②女子

4/22 分散 
7/8  分散 

ⅲ)体脂肪率・BMI相関分散図

①男子
 
②女子
<考察>

(1)自分のデータとクラスの分布の比較
 ①最大酸素摂取量
  自分のデータは平均より小さいところにある。
 ②BMI,体脂肪率
  BMIと体脂肪率のグラフには非常に強い正の相関関係が認められる。相関係数
  (r=0.8~0.9)女性の4/22のデータが少ないため断定できないが、男性のグラフか
  らいうと4/22の分散図のほうが、全体的な傾きは、よりy=xのグラフに近い並
  びをしており、7/8の分散図の全体的な傾きはその傾きよりも大きくなっている。
  自分のデータは明らかな外れ値になり、個人が特定されるのを懸念するため掲
  載しない。なお、外れ値ではあるものの、その値を入れて相関係数を計算した
  場合と入れずに計算した場合の差は有意ではない程度であった。
(2)最大酸素摂取量の全国平均とクラス平均の数値の比較
 ①男性 19歳
  全国平均(50.2ml/min/kg)4/22(47.3ml/min/kg)7/8(52.1ml/min/kg)
  4月の時点では全国平均を下回っていたものの、7月の段階では全国平均を上回
  る結果となった。ただし、男性はデータの分散が大きいため必ずしも全国平均
  を上回る人数が増加したとは限らない。(結果の最大酸素摂取量のグラフ/男性を
  参照)
 ②女性 19歳
  全国平均(36.8ml/min/kg)4/22(42.1ml/min/kg)7/8(46.0ml/min/kg)
  4月の時点で全国平均を大きく上回っている。7月では全国平均を約 
  10ml/min/kg上回っている。自分のデータを見ると4月ではわずかに全国平均
  を下回っていたものの、7月では上回っている。
(3)4/22と7/8のBMI,体脂肪率,最大酸素摂取量の比較
 ①自分のデータでの比較
  自分のデータは添付した資料5においてF11である。これを見ると4/22の時に
  比べて、BMIは減少、最大酸素摂取量は増加している。添付データはないが、
  最大酸素摂取量(ml/min)は増加しており、最大酸素摂取量(ml/min/kg)の増加が、
  体重(及びBMI)の減少のみに起因することではないことがわかる。
  従って、7/8では4/22に比べて最大酸素摂取量は向上していると言える。
 ②クラスのグラフ分布及び数値による比較
  最大酸素摂取量については、結果のグラフを参照・分析すると、全体として最
  大酸素摂取量は向上したといえる。ただしグラフの形からも明らかであるが、
  男性では4/22に比べて7/8のほうが、平均も大きくなってはいるものの、分
  散()は大きくなっている。
  女性の場合は、平均は大きくなり、男性とは反対に分散()は小さくなっている。
  様々な要因が考えられるが、部活動・サークル活動など、受験期の一年間より
  も活発に動くことが多くなったことが一つの要因として考えられる。
(疑問点)
 ・資料4について、対象となる人数や被験者となる人の健康状態などの情報がな
  いため、「全国平均を上回る」というためのデータの根拠があいまいかもしれな
  い。
 ・このように、わずか3カ月弱の間に、最大酸素摂取量の数値の1割以上が増加
  する結果を得たことを考えると、「全国平均」のデータの測定の実施時期・実施
  期間を明確にしないと、必ずしも今回のデータと全国平均との比較は有効では
  ないかもしれない。
<資料>

▼資料1
VO2maxの推定には、資料2に示したオストランド(Åstrand)のノモグラムを用いる。原理は以下。
① 外界に対して行った機械的な仕事率
(負荷値)から、体内で生成されてい
 るパワーに換算し、その値をVO2と
 して表す。
② 前述したように、運動強度またはV
 O2および心拍数はほぼ比例すること
 が知られている。最大以下の強度にお
 ける運動中の心拍数から、最高心拍数
 (20歳で約200拍/分)に達した時の運
 動強度を推定し、その時のVO2を求める。
この値をVO2maxと呼ぶ。
推定の手順は以下。
①右図のように、ノモグラム右端の負荷強
度を示す目盛りから、水平に左に直線を
引き、O2摂取量で示した運動強度に換算する。
②対応する心拍数を左端のスケール上にプ
 ロットし、O2摂取量の換算値との間を直
 線で結ぶ。
③中央の斜めのスケールと直線の交点から
 VO2maxの値を読み取る。3段階の負荷中
 の心拍数が、120~170の範囲にあれば、
 3本の直線が引ける。また、計測が正しく
 行われている場合は、3本の直線はVO2m
 axのスケールの近辺で交わることになる。   図7:オストランドのモノグラムの使い方
▼資料2
   表2:年齢別の補正係数
  図8:オストランドのモノグラム

▼資料3
BMI値

 評価

18.5未満

18.5以上 25.0未満

20.5以上 30.0未満

30.0以上 35.0未満

35.0以上 40.0未満

40.0以上

やせ

普通

肥満度1

肥満度2

肥満度3

肥満度4
▼資料4
▼資料5
①男子
VO2max ①

VO2max ②

体脂肪率①

体脂肪率②

BMI①

BMI②

M1

29.5

30

17.9

14.6

21.1

19.6

M2

46....

コメント0件

コメント追加

コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。