佛教大学 通信教育部
【国語科教育法 科目最終試験対策】S0616最新版
佛教大学 科目最終試験 テスト対策
佛教大学で最近出された課題を基にテスト対策をつくりました。
科目最終試験では、過去に出された課題が出題される傾向にあるため過去問を参考に学習をすることをお勧めします。
効率よく暗記できるよう、わかりやすく説明をしています。参考にしてください。
掲載課題
1. 文学的文章指導における内容論の三層構造について、
テキストの内容をふまえて説明しなさい。
2. 説明的文章指導における「学習者と三者との関係」について、
テキストの内容をふまえて説明しなさい。
3. スピーチの指導について、テキストの内容をふまえて説明しなさい。
4. 小学校国語科における文法指導について、テキストの内容をふまえて説明しなさい。
5. 国語科教育のカリキュラム・マネジメントについて、テキストの内容をふまえて説明しなさい。
1. 文学的文章指導における内容論の三層構造について、
テキストの内容をふまえて説明しなさい。
文学的文章指導の目標と内容については、「文字言語を媒介にして、作品世界を豊かにイメージすること」と「登場人物の行為や出来事によって、読解力・想像力・思考力・認識力・言語感覚などが育つとともに、自己や社会のあり方を考える契機になる」ことが重要である。
まず、文学的文章指導における内容論の3層構造について、「教材内容」「教科内容」「教育内容」の3点に大別し、以下に説明する。
第一に、教材内容についてである。これは、教材固有の内容をさし、表現されている内容について理解することが目標である。作品の世界を丸ごと豊かに深く理解させるために、学習者のイメージ体験や感動体験が重視される。例えば、 「大造じいさんとガン」を例に挙げると、残雪の行為によって大造じいさんの考え方が変わったことを知ることや、「三年とうげ」では医者の考えにより、おじいさんの考え方や生き方が変わること等である。第二に、教科内容である。各教科の基礎となっている諸学問の体系(科学的な事実・概念・法則、技術など)が指導事項となる。教材内容よりも一般的・法則的な内容で、国語科で言えば、文学表現の原理・方法およびそれをふまえた読み方(作品分析法)が該当する。教材研究において作品の特徴的な要素に着目して、それが子どもに学ばせたい知識・技術であると同時に、作品の読みを深める切り口になるということを見きわめる必要がある。一般的な教え込みや形式的なドリルだけではなく、子どもの既有知識・敬虔や興味・関心・意欲を引き出しながら、自己とかかわる切実な課題を通して、他者と共同的に学ぶことが、メタ知識や学習の転移を促す。例えば、オノマトペや色彩語や比喩表現に着目して、描写の効果を考えることが挙げられる。最後に、教育内容である。教科の枠組みを超えて指導する内容で、作品のテーマや思想と深く関連している。ものの見方・考え方、人とのかかわり方など広範囲の学習内容が想定される。例えば、物語を読んで、人間と自然の共生について考えることである。
さらに詳しく説明するため、小学校4年「一つの花」を例に挙げて、具体的に三層構造を説明しよう。「教材内容」については、戦時中の食糧難をどれだけ具体的に理解できるか。それから、その中でおにぎりを食べられるということが何を意味するか。そして、コスモスに囲まれているゆみ子の家の生活には貧しさも表れているといった流れである。「教科内容(作品分析法)」については、「一つの花」は基本的に「三人称客観視点」の作品である。語り手がその人物の内面にも立ち入らずに、出来事を外側から眺めて語ることにより、読者もその場に居合わせているかのような効果が生じている。物語で繰り返し使われている主要語句として〈一つだけ〉がある。これは戦時中のものの大切さを表す同時に、一人娘に寄せる父親の深い愛情も込められている。題名が「一輪の花」ではなく「一つの花」であることもこれに関連している。そうして、反復と対比をとらえている。そこから、「一つの花」という題名や題材の「象徴性」をとらえ、敬体の文末表現で、語り手はそっと見守るようにやさしく語っていることに着目し、語り手の人物に対する温かいまなざしや深い共感を読み取る。「教育内容」については、やはり反戦平和や家族愛などの問題であろう。
このように、文学的文章指導の方法は物語文では、語り手が語った1つのまとまったストーリーのある話物語を読む⇒日常では体験できない虚構世界を体験する情意的感動⇒そこからの問題意識の喚起という構成で指導をしていくべきである。
2.説明的文章指導における「学習者と三者との関係」について、
テキストの内容をふまえて説明しなさい。
説明的文章指導における「学習者と三者との関係」について、説明するにあたり、説明的文章指導の目標と内容について補足しておかなければならない。そこでは、筆者の目的・意図と、読者(学習者)の反応を重視して指導を考えることが重要である。記録文・報告文・説明文(狭義)・報道文では、「ある事柄について未知、あるいはよく知らない読者に対してその事柄について知らせようとするもの」、論説文・評論文では、「自分の考えや意見を述べて読者を説得しようとするもの」である。説明的文章の指導によって付けたい力では、「論理的思考力、論理的表現力、情報活用力」である。
本題に戻り、学習者と三者(テキスト、他の学習者、学習者自身)との関係について説明したい。以下3点に大別して論じていく。
第一に、学習者とテキスト」については、テキストを理解したうえで、「自分なりの思いや考えをもつ」ことが重要であり、テキストと対話させ、評価力・批判力を身につける。
第二に、学習者とほかの学習者については、自分なりの思いや考えをもつ」と同時に、他の学習者と交流し合うことが求められる。そのためには、他の学習者との対話をすることで、他の学習者との差異が明らかになり、思考が活性化され、より深い理解へとつながる。
第三に、学習者と学習者自身についてである。テキストにより知らなかったことを知る、筆者の意見や考えに触れることから、「自分なりの思いや考えをもつ」ことを重視した場合、学習者は自分自身と対話することになり、さらにほかの学習者との交流・対話によりさらに活性化するという成果に繋がる。このように、「書く」という活動は、「自己内の自己と対話する」ので、うわべの理解にとどまらず、より深い理解を目指すのだ。
3.スピーチの指導について、テキストの内容をふまえて説明しなさい。
スピーチの指導について論じるにあたり、「話すこと・聞くこと」の指導の目標と内容について説明をする。ここは、学習指導要領を参考にしてもらいたい。また、スピーチの定義は、多数の利き手の前に出て話をする行為のことである。私的な場での気軽な話し方(トークの対極にある、パブリックスピーキングの一形態である。また、「朗読、音読に比して、その場の状況や利き手の反応に即応した工夫、配慮が求められる活動である。
さて、本題に戻り、スピーチの指導つまり「話すこと・聞くこと」の形態と指導方法について以下、3点に焦点を置いて論じたい。
第一に、新学習指導要領におけるスピーチである。各学年の「話すこと・聞くこと」の言語活動例である。また、これは、話し手としての活動と聞き手としての活動が一体化して設定をするものである。
要するに、教室におけるスピーチとは、単に一方向の「話す行為」ではなく、話し手と聞き手が交代しながら互いの考えや立場を尊重し、一緒に作り上げていく協働の行為である。
第二に、スピーチのかたちを理解させる指導である。スピーチのかたちは、児童の日常の話しことばのかたちとは異なるため、その形を理解することを目標とする指導が必要となる。また、冗長的に話すのではなく、必要なことがらをいくつかに絞り、順序立てて話したり、時間の経過を考えて順序よく話したりすることを意識してスピーチしなければならない。要するに、話したいことを頭括型で話すこと・「はじめ」「つぎに」などのことばをつかって話すこと・必要なところでは理由や根拠を付け加えて話すことの3点が重視される。
第三に、話し手(スピーチをすること)への指導である。つまり、スピーチのかたちをつかって音声化できるようにすることである。
留意点は、あらたまった場での言い回し(学習言語)→共通語(授業ことば)を使う、、微妙な言い回しや、自分の思いを的確に表すことが可能(感覚的)、論的なものになりにくい、同じ生活土壌のものたちのコミュニケーションのため、利き手に理解依存してしまう等が挙げられる。つまり、徐々に生活ことばから、授業ことばによる言い回しに移行をして、画一的に授業ことばに置き換えさせるのではなく、教室の状況や話題との関係から適切な言い回しを考慮して指導することが重要である。
以上3点の他に、聞き手(スピーチを聞くこと)への指導である。受け身として聞くのではなく、話し手の発話を理解するために積極的な聞く態度を育てる。つまり、常に「話すことの指導」と「聞くことの指導」を一体化をする。
さらに、スピーチを共有する学びの集団への指導である。話し手と聞き手が互いに相手の立場を尊重し、かつ批判的な思考を働かせながら、協働の行為とすることが理想である。
4.小学校国語科における文法指導について、テキストの内容をふまえて説明しなさい。
文法の指導について論じるにあたり、新学習指導要領の内容触れておく必要がある。「伝統的な言語文化と国語の特質に関す...