死生観と生活の中の宗教~その伝統的な形と近現代における変容~

閲覧数5,012
ダウンロード数15
履歴確認

    • ページ数 : 4ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    死生観と生活の中の宗教
    ~その伝統的な形と近現代における変容~
     本論は「死生観と生活の中の宗教」をテーマとする。まず、中国人の死生観を伝統的なものから現代に至るまで整理する。次に、生活の中の宗教の例として、死生観・宗教観が強く反映されるであろう「墓・安葬方式」を取り上げ、その伝統的な形と近代・現代における変容を整理する。それらを日本の場合と比較しつつ、両者の共通点や特徴をみていく。
    <死生観―自然の影響と混淆性―>
    ①中国人の伝統的な死生観
     中国人の死生観において興味深いのは、それぞれの気候風土から死生観が作られている点である。
     北方は乾燥した気候風土のため、死体はすぐには腐敗しない。特に古代文明の中心地だった黄河中流域では、死体はすぐには腐敗せずミイラ化することもあり、死んだ人は生きた人と一緒に「ずっと生きている」とする考え方もある。また、墓室は死んだ人の家とされ、古くから生活に密着した副葬品が納められた。人間は地下で「生き続ける」という考え方である。
     一方、湿った気候風土の南方では、死体はすぐに腐敗・解体する。道家的発想で「生とは天からの気たる精神と地からの気たる肉体との合...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。