『他人を見下す若者たち』に見る「恥」の変容

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    資料紹介

    速水敏彦『他人を見下す若者たち』(講談社現代新書、2006)、ルース・ベネディクト著、長谷川松治訳『菊と刀』(講談社学術文庫、2006)における「恥」の考察。

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    日本文化論レポート課題                       2006.--
    『他人を見下す若者たち』に見る「恥」の変容
    はじめに
    今年、『他人を見下す若者たち』(速水敏彦/講談社現代新書)がベストセラーとなった。この著作に書かれている日本人像は、いわゆる「恥知らず」である。
    ここでまず、「恥」のいくつかの定義を確認する。
    ベネディクトの著書『菊と刀』では、「人は人前で嘲笑され、拒否されるか、あるいは嘲笑されたと思いこむことによって恥を感じる。(中略)ただしかし、恥を感じるためには、実際にその場に他人がいあわせるか、あるいは少なくとも、いあわせると思いこむことが必要である。」と外面性を強調した「恥」の捉え方だ。また、森三樹三郎の『「名」と「恥」の文化』によれば、「(恥は)世間に対する負い目の意識であるから、その点からいえば外面的な強制力の意識であるともみられる。しかし、それも罪と同様に、学習によって心のうちに定着すれば、内面的な道徳意識となる。」と、外面性・内面性ともに捉えられている。そしてまた、『定本 柳田國男集』によれば、「日本で『恥』と言ったのは笑はれることであった。」とあ...

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