古文基礎読解力養成テキスト

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    中学生 古文基礎読解力 養成テキスト
    古文を読み解く力をつけるための十カ条
    壱 必ず解答欄には書き込まず、古文のノートに解くこと!
    弐 間違えた問題は、そのままにせず、なぜこの答えになるのか理解できるまでやり直すこと!
    参 なぜこの答えになるのか理解できない時には、古文のノートで確認すること!
    四 夏以降も、一ヶ月に一回は解き直すこと!
    五 国語を取っていない生徒には内緒のこと!
    六 夜更かしはお肌にとって大敵!十二時には寝ること!
    七 よく食べ、よく学び、よく遊ぶこと!
    八 私立入試は二月十日、前期は二月後半、後期は三月半ば!しっかり計画を立てて勉強すること!
    九 分からなければ、必ず先生に質問に来ること!
    十 今日という日は戻ってこない!毎日を大切に過ごすこと!
    氏 名
    ~入試問題の古文を解くために~
    高校入試問題での古文の問題で問われているのは「現代語訳」!
    ほとんどの問題で「現代語訳」がある程度できれば正しく解答できる。
    そこで重要になるのが文末の意味である。日本語は文末が変わると、文の意味が全く異なる。
    例) 僕は学校へ行く。
    行かない(行く+ない)
    行った(行く+た)
    行きたい(行く+たい)
    文末で、文全体の意味を決める働きをしているのは、「助動詞(例のない・た・たい等)」。
    そして大事なことは、古文と現代のことばとは、「助動詞の形がまったくちがう」ということ。
    だから古文の助動詞の形と意味を覚える必要がある。
    古文助動詞を理解し、古文を現代語訳する練習をつめば、高校入試の問題の多くを解けるようになる!
    高校入試で問われる助動詞はたった十個!
    ① ~た と訳すもの  き
    けり


    たり(基本は~ている)
    り (基本は~ている)
    ② ~だろう・~しよう と訳すもの む
    ③ ~ない と訳すもの ず
    じ(ないだろう)
    ④ ~である と訳すもの なり
    助動詞を見つけて①下の『   』に抜き出し、②【  】に終止形を答えよう!
    1 言ひし人 『 』 【 】
    2 食べつる時 『 』 【 】
    3 起きければ、 『 』 【 】
    4 飲みたる物 『 』 【 】
    5 泳ぎぬ。 『 』 【 】
    6 投げぬる球 『 』 【 】
    7 思ひつれども 『 』 【 】
    8 行きしかども 『    』 【 】
    9 申したり。 『 』 【 】
    詠める。 『 』 【 】
    次は助動詞に注意して下の【  】に、現代語に訳してみよう!
    1 言ひし人 【 】
    2 食べつる時 【 】
    3 起きけれども 【 】
    4 飲みたる物 【 】
    5 泳ぎぬ。 【 】
    6 投げぬる球 【 】
    7 思ひつれども 【 】
    8 行きしかども 【 】
    9 申したり。 【 】
    10 詠める。 【 】
    次は少し長い文を現代語に訳してみよう!
    1 昔泳ぎし川を懐かしく思ひき。
    【 】
    2 ある所にめうが(みょうが)のさしみありける
    【 】
    3 児これをつまみ食ひける
    【 】
    4 土大根を毎朝二つづつ焼きて食いける人ありけり。
    【 】
    5 家いみじう(とても)貧しくて、けふの食べ物絶えぬ。
    【 】
    6 我の装束をみな取り上げつ。
    【 】
    7 東の大宮にて、かくのごとく(このように)なりつる。
    【 】
    8 扇は空へぞあがりける。
    【 】
    9 つねに猿を弓で射れり。
    【 】
    10 大猿も小猿も地にぞ落ちにける
    【 】
    11 そこら(たくさん)食ひこぼしてけり。
    【 】
    12  この女を呼ぶと、出て来にけり。
    【 】
    13 昔、橘季通といふ者ありき。
    【 】
    次の文を助動詞に注意して現代語訳しなさい。
    1 その巣をとらんとする。
    【 】
    2 大事(仏道に入り悟りを開くこと)を思いたたん人
    【 】
    3 いざ(さぁ)、行かん!
    【 】
    4 少納言、香炉峰の雪いかなら(どのよう)ん。
    【 】
    5 雨降らん。
    【 】
    6 我を知らん人
    【 】
    7 (友達に向かって)今宵(今夜)あはむ。
    【 】
    8 いとをかしげなる(かわいい)猫なり。飼はむ。
    【 】
    9 宇津の山にいたりて、我が入らんとする道はいと細く暗き。
    【 】
    10 めづらかにあはれなる(趣深い)ことなり。大納言に申さむ。
    【 】
    11 春まで命あらば我必ず来む。
    【 】
    12 がに、にならびなきをとらせんとひけり。
    【 】
    13 桜の枝をとりてをらんとす。
    【 】
    14 それならば俺は、なほ(もっと)食はん。
    【 】
    15 ひだるさ(空腹)を食ふて忘れむ。
    【 】
    次の文から打ち消しの助動詞を抜き出して、【 】に書き抜こう!
    1 日の出て入る所は見ゆるが、洛陽はまだ見ず。  【 】
    2 郡司の言葉に違はず。 【 】
    3 見えざりし物 【 】
    4 思ひがけぬこと 【 】
    5 その罪、軽からぬことだ。 【 】
    6 達人は危ふき事はせぬものだ。 【 】
    7 民の嘆き浅からじ。 【 】
    8 唐(中国)の物は、薬の他は、なくとも事欠くまじ。 【 】
    9 唐土船のたやすからぬ道に、 【 】
    得がたき宝を貴まずとも、 【 】
    次は現代語訳してみよう!
    1 日の出て入る所は見ゆるが、洛陽はまだ見ず。
    【 】
    2 見えざりし物
    【 】
    3 民の嘆き浅からじ。
    【 】
    4 憂き(つらい)ことはあらじ。
    【 】
    5 思はぬ幸運に出会ひけり。
    【 】
    6 夏は来ぬ。
    【 】
    7 年頃思ひつること果たしぬと言いけり。
    【 】
    8 花咲きぬ。
    【 】
    9 食べぬ物
    【 】
    10 殿より預かりし鶴を逃がしぬと申しぬ。
    【 】
    助動詞に注意して訳してみよう!
    1 思はぬ幸運に出会ひけり。
    【 】
    2 橘の花が、いと白く咲けり。
    【 】
    3 亡き人の書きたる物見るは、いとあはれに思はれる。
    【 】
    4 小猿は、母猿につきて離れじとしけり。
    【 】
    5 射殺さん事は無残なり。
    【 】
    6 鳥も殺さず、魚も殺さじと思ふ。
    【 】
    7 月ばかり(月ほど)面白きものはあらじ。
    【 】
    8 よろづのことは、月見るにこそ、慰むものなれ。
    【 】
    9 みちのくの中でも、このあたりは雪おほく降る国なり。
    【 】
    10 駿河なる宇津の山に行きけり。
      【 】
    11 大坂なる堺。
    【 】
    12 森の中いと物騒がしく、何ならんと見けり。
    【 】
    13 世にひろくせまほしき(ひろめていきたい)わざなり。
    【 】
    14 物学ぶ人にはあるまじき(あってはならない)ことなり。
    【 】
    15 太郎入道といふもの、男(出家していない男)なる時、つねに猿を射けり。
    【 】
    「ば」を訳せるようになろう!
    1 雪降らば、いとつれづれなり(退屈だ)。
    【 】
    2 吉野がり(吉野の方へ)行けば、雪降りけり。
    【 】
    3 人の行き通はん所ならざりければ、憂し(つらい)とぞ思ひける。
    【 】
    4 後ろ見れば率て来し(連れてきた)女もなし。
    【 】
    5 富士の山を見れば、五月のつごもりに、雪いと白う降れり。
    【 】
    6 音もせねば、寝入りたりとぞ思ひける。
    【 】
    7 五日、風波止まねば、おなじところにあり。
    【 】
    8 十六日、風波止まねば、おなじ所に泊まれり。
    【 】
    9 風吹きなば、花も散らん。
    【 】
    10 京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。
    【 】
     
    1 人のけはひのしければ、「あれは誰ぞ」と問ひけり。
    【 】
    2 顔見れば、眉の間に、二寸ばかり傷あり。
    【 】
    3 汝(あなたが)鹿に代りて殺されなば、かの(あの)鹿は助からん。
    【 】
    4 この女を呼びければ、出で来にけり。
    【 】
    5 男三年も来ざりければ、女待ちわびたりけり。
    【 】
    6 竜ならば、雲にも乗るべし(乗ることができる)。
    【 】
    7 そのこと果てなば、とく(はやく)帰れ。
    【 】
    8 沖を見れば、船どもありけり。
    【 】
    9 生駒の山を見れば、空曇りたりけり。
    【 】
    10 比叡の山のふもとなれば、雪いと高し。
    【 】
    「の」と「が」
    昔の人は「の」と「が」を区別して使っていなかった。
    ある人の、この波の立つを見てよめる歌。
    【 】
    ある人の、男につきて下りて(都を離れて)、住みたりけり。
    【 】
    亡き人の語りしことこそ、思ひ出されけれ。
    【 】
    ゐなかの児(子)の比叡山へ登りたりけり。
    【 】
    この女の親の、占いの上手なりけり。
    【 】
    これを養ひし人の語りき。
    【 】
    ある男、郡司が言葉に違はず。
    【 】
    公任(藤原公任→きんとう)の、清少納言がもとへ紙に書きて、
    【 】
    道哲が故郷より兄といふ人来たり。
    【 】
    頼宣、馬に乗る時、頭巾の風に落ちけり。
    【 】
    木こりの山守に斧を取られて、辛しとぞ思ひける。
    【 】
    伴大納言善男(人の名前)は、佐渡の国の郡司の従者なり。
    【 】
    和泉式部、保昌が妻なり。
    【 】
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