個人的なフィールドワークありです。
「文化人類学レポート」
副題:~見えない暗黙のルール~、言葉を奪われてしまった日本人
この世界は、明文化されたルールによってではなく、暗黙のルールによって支配されていると思われる。明文化されたルール=建前、暗黙のルール=本音という図式がこの国には成立している。人々は、目に見えるルールに従っているように見せて、実は暗黙のルールに従って日々生活しているのだ。
暗黙のルールとはタブーである、というか、言葉自体がタブー、そして最大のタブーが言葉をとりわけ真実を語ることなのだ。
暗黙のルールは、危機的な状況には耐えられないことと、異分野からの新参者には理解しがたいという問題がある。こういったルールの多くは職人的世界で培われたルールであるがため、グローバル化が進む現代社会やビジネスの現場では「不文律」(暗黙のルール)がそぐわないケースが増えてきている。近年、日本の多くの企業では、情けより契約を重視する傾向にパラダイムシフトしつつある、というが、仁義や情を欠いては人の世は渡っていけないのだと、日本人が一番分かっているのではないだろうか。「契約を重視する」、それは欧米諸国に迎合しているだけである。この...