社会保障論 期末試験 模範解答@

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    資料の原本内容

    歴史
    戦前は以外にも制度がそろっていて、公的扶助の前身として慈恵的な考えのもと受給規則、社会保険も労務管
    理的なものから第一次国民皆保険を通して充実し、 また、労働移動防止の役割を果たすべく、労働者年金保険
    法が制定されその保険料は戦費調達費として使われた。年金制度は戦前において一応の完成を見た。
    戦後は戦争未亡人や傷病軍人を救うため、また大量引陽者の貧困を救うために社会保障の必要性が叫ばれ、

    1946 年には旧生活保護法ができたがこれは無差別 平等ではなく、日本国憲法制定で生存権が規定されると
    1950 年に新生活保護法ができた。また児童福祉法と身体障害者福祉法ができ福祉三法体制がそろっ た。
    1960 年代に入ると、財政的余裕から国庫負担の拡充がされ、また貧富の差によって社会のひずみもでてくる
    ことになる。そして保革伯仲が続き、福祉政策重 視の革新自治体もでてきたこともありこのころは社会保障が拡
    充した。1972 年には老人福祉法改正、1973 年には、国民年金法、厚生年金法が改正され、 年金の年、福祉
    元年と呼ばれた。
    しかし 70 年代も半ばを過ぎると経済も低成長となり、高齢化が進んだことから社会保障の財政負担が大きく
    なった。しかし依然として保革伯仲で、福祉元年体 制が 70 後半まで続いた。しかし、80 年代に入るといよいよ
    改革の必要性がでてきた。『増税なき財政改革である』
    これは財源調整として企業負担をふやし、保険料値上げや給付抑制で国民負担、権限委譲によって、補助金を
    削減する地方負担、保険料段階的値上げによる後代 負担など。

    80 年代後半には消費税値上げやリクルート事件などで与党の信頼が揺らぎ、参院選で与野党が逆転し、細川
    内閣がたちあがった。細川内閣においては少子高齢 化対策が特徴である。
    ゴールドプランや 1.57 ショク受けて育児休業法の制定、児童手当法の改正、子育てと仕事の両立としてエンゼ
    ルプラン、21 世紀福祉ビジョンでは年金医療 保険 541 から 5:3:2 に変更した。

    2004 改正
    2004 年の背景は、少子高齢化による被保険者の減少と受給者の増加を背景に行われた。
    また雇用形態の多様化による被保険者の減少、制度不信による未納・未加入、企業による社会保険料負担回
    避などで、国民年金・厚生年金の空洞化や被保険者の 減少などの問題があった。
    また 2000 年からの積み残しとして、国民年金の国庫負担割合 1/2 へ引き上げ、国民年金・厚生年金の保険
    料引き上げ凍結解除や女性と年金問題がある。
    実際に改正されたのは、国民年金の国庫負担割合 1/2 へ引き上げと財政調整。そして、2017 年まで保険料
    を段階的に上げていきそこから保険料水準を長期 固定するという保険料水準固定方式。またマクロ経済スライ
    ドによって被保険者減少率と平均余命伸び率を考慮したうえで給付額を変動させることによって年金 給付総額
    が保険料収入と国庫負担の枠内に納まるようにしたことなどがあげられる。少子高齢化の中この制度によって
    給付水準の低下が招く可能性があることで 確定給付年金からの部分的離脱ともいえる。
    また、被保険者数を増加させるために、在職老齢年金の見直し、短時間労働者の厚生年金適用、次世代育成
    支援の拡充などの制度構築や、女性と年金問題で厚 生年金の分割、障害年金の改善などが決定された。
    この改正の意義としては、保険料水準固定方式とマクロ経済スライドによって、給付を自動調整することができ
    るようになったこと。それによる確定給付年金の 部分的離脱。
    そして積み立て比率を一年分としたことで、有限均衡方式をとり、完全賦課方式への第一歩を踏み出したこと。
    などがある。
    問題点としては、厚生年金の空洞化促進や、国民年金空洞化への対応の不十分さ、また、給付水準の低下など
    がある。

    介護保険制度
    公的介護保険の制度の背景として、高齢化に伴って要介護者が増加したことがあげられる。
    以前は介護は、社会福祉制度と老人保健によって担われてきたが、サービス内容・費用の負担の点においてこ
    の 2 つの制度の間には不公平があった。社会福祉制 度の行政機関がサービス実施可否・サービス内容・提供
    主体を決める措置制度にはスティグマを感じる人も多く、費用は高いのだが、自己負担が少ない、介護で はなく
    治療を中心としている病院に入院させる、社会的入院が増加し、このことで医療費の増大につながった。
    このような事態を打開するために、介護保険をひとつの独立した制度として確立し、介護を必要としている人に
    適切なサービスを提供する必要があった。
    また創設の狙いとして、社会全体で介護という問題を支えるという介護の社会化・社会保険料方式で拠出・給
    付の関係を明確にすることで国民の理解を得て、多 様な主体からサービス提供することで利用者が選択できる
    ようにした(措置から契約へ)
    また介護保険が制定される焦点として、社会保険料方式をとるか租税方式をとるか、
    現金給付か現物給付か、保険者を誰にするか、対象者を何歳にするかなどの問題があった。
    問題点としては、要介護認定において痴呆の徘徊などが考慮されずに適切な判断がされないなどの問題や、地
    域によって保険料・老人の数・施設の数が違うとい う地域格差の問題がある。また更に財政安定させるために
    は広域化の問題もでてくるだろう。
    また、利用者に一部負担があることから低所得者には厳しいものもいるという問題。
    ケアマネージャーの質の問題がある。

    医療保障制度
    医療保障制度にはまず社会保険がある。社会保険は医療保険と介護保険に分かれているが、以前は介護は社
    会保険の主に老人保健が担っていた。医療保険は地域 保健として市町村国民健康保険、職域健康保険として、
    自営業者のための国民健康保険と被用者保険に別れ、被用者保険は健康保険と、共済組合保険などに分か
    れる。
    次に老人保健がある。老人保健は 70 歳以上の老人医療を各保険者が集まって負担を分担し、支えていくとい
    う共同事業でもある。医療保険と公費と自己負担に よってまかなわれている。
    医療扶助は生活保護の制度からなされており、単身給付者が多いのが特徴である。
    公費負担医療は法律に基づく医療と、予算措置に基づく医療に分かれており、国家補償、社会防衛的、社会福
    祉的な医療がなされている。
    問題は老人医療保障制度である。高齢化に伴い老人医療ニーズが高まって、主に老人保健での医療費が増大
    している。制度の分立による小規模なことや、医療の 高度かなども要因としてはあげられる。また診療報酬体系
    は現在成果主義が採られており、診療回数を増やすほど、また投薬量を増やすほど報酬が得られるので 過剰診
    療や薬害の恐れがある。
    医療供給体制にも問題があり、医療機関の機能分化や、体系化が進んでいないため質の高い医療が提供しに
    くい状況にある。また三時間待ちの三分診療など大病 院に対する不満や、インフォームドコンセントなどの問題
    もある。そして薬価制度に対する問題もある。
    薬価基準は存在するものの病院が基準よりも安く仕入れ、大量に処方すればその差益だけ儲かるという事態は
    国民の健康を対象とする分野では適切であるとはい えない。

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