異文化理解(西欧)のA判定合格済みレポートです。
※丸写しはご遠慮下さい。
EU統合はそこに暮らす人々、ひいては世界の人々の幸福にどのような貢献を果たすと考えられるか。またそれがもつジレンマとは何か。もっとも基本的な目的と具体的な発現状況を要約して述べよ。
1.はじめに
歴史学者クシシトフ・ポミアンは、ヨーロッパは分裂と統合をくりかえす不定形の歴史的過程であることを『ヨーロッパとは何か』で述べている。ヨーロッパは従来、島国の日本とは異なり、多様な民族・文化を背景に国境を争い、その一方で統合をしてきたという歴史をもつ。
欧州共同体の枠組みとして、経済的な側面が注目されることが多い欧州連合(EU)であるが、本レポートでは、経済面のみならずそこに暮らす人々の生活や文化問題からも考えていきたい。
2.発現状況
フランス革命以降、国民国家が形成された。現在に連なるヨーロッパ統合の源流がこの時期にあるともいえる。
戦後のヨーロッパ統合の動きは、1951年の欧州石炭鉄鋼共同体条約に始まる。世界大戦により壊滅的な被害を受けたヨーロッパでは、統合の思想が生まれ始めていたが、フランスの外務大臣シューマンにより、石炭と鉄鋼を共同で管理するプランが打ち出された。これがシューマン宣言...