精神医学②
入院していた統合失調症の人が、陽性症状が軽減し社会復帰するのを援助する時点で、(社会側ではなく)当事者に残存する問題点と、それに対する対処法方法を精神保健福祉士の立場から記載しなさい。
世界の先進諸国での精神保健はすでに脱施設化を終え、地域型の精神医療・保健・福祉サービスに転換している。日本でも、近年長期入院者の退院促進が叫ばれており、入院中心から地域生活支援を中心としたケア体制への移行が急務となり、医療モデルから生活モデルへの変更というスローガンが声高に叫ばれている。しかし現実はそう単純ではなく、地域への参加を実現するためには、医療と地域が一体化したプログラムの創出が重要である。
統合失調症は慢性疾患であるため、社会生活を行う上で様々な困難を伴い、大部分が日常生活能力に障害を有する。症状が不安定で病気自体が非常に再燃・再発しやすい。再燃・再発を防ぐことにより社会復帰の継続と促進を図る必要がある。これらに対しては、服薬の指導徹底が必要であり、家族等同居者への指導により服薬管理への協力について理解・協力を得ることが重要である。また、家族への心理教育も欠かせない。
統合失...