『現在は情報社会さらには知識社会と呼ばれているが、その社会にあっては知識を扱う教育はきわめて
重要である。基礎基本の学力と教育格差と経済格差との関連について論ぜよ。また格差問題を解決するうえで
教育方法はどのようにあるべきか。』
1.子どもたちの学力の実態
(1)子どもたちの学習到達度の実態
1998年の学習指導要領改訂以来、完全学校週5日制の実施にともない、大幅な年間授業時数の縮小や教育内容の削減が行われたが、この「ゆとり教育」により、わが国の子どもたちの学力低下を招いてしまったことは論を待たない。2004年12月、学力に関する2つの国際調査結果が公表されているので以下に概要を見てみたい。
①OECD調査(PISA)の結果
OECD(経済協力開発機構)が2003年に実施した国際的な学習到達度調査(PISA)によれば、日本は2000年の前回調査に比べて、読解力が8位(32カ国中)から14位(41カ国中)へ、数学的リテラシーが1位から6位へと下がり、科学的リテラシーは2位のまま変わらず、新たに導入された問題解決力が4位であった。
②IEA調査(TIMSS)の結果
IEA(国際教育到達度評...