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社会福祉援助技術の統合化にむけて諸理論と実践が問われるようになったのはなぜか
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アメリカでは、1953年に保健・教育・福祉省が創設され、1955年にはNASWが設置されて専門職団体の総合化が進められた。5つの専門職団体とコミュニティ・オーガニゼーションと社会調査に関する2つの研究団体を合併して、結成された単一の専門職団体である。これによって、ソーシャルワーカー分野や方法の区別によらず、すべて同じソーシャルワーカーとしてのアイデンティティを確立する基盤ができた。
こうした統合化の背景には、それまでの診断主義、機能主義の対立を超える「社会福祉援助とは何か」についての社会福祉内部からの反省があった。1952年の論文でパールマンは、個別支援技術に「ソーシャル」な特質を取り戻す努力をするべきであると強く訴え、マイルズは1954年の「アメリカソーシャルワーク理論」のなかで、社会福祉援助技術と社会科学との連携を訴えて、「リッチモンドに帰れ」と主張した。
このように1950年代は、社会福祉援助技術が個人の心理的側面に偏りがちであったことを反省し、個人と社会環境に目を向けるべきであると再認識する時期となった。
パールマンは、もはや診断主義と機能主義の分派の時代ではないとした点で折衷主義と呼ばれる。また、児童相談クリニックや多問題化する家族への援助に生かされる実践的な理論を形成し、後の課題中心モデルや生活モデルの社会福祉援助技術の基盤をつくることとなっている。
これらに共通する新たな特徴は、1つには利用者の環境を欠くことのできない焦点として見直すことである。例えば、心理―社会的モデルは診断主義の流れをくむものではあるが、ホリスは「ケースワーク―心理社会療法―」のなかで「状況のなかの人」という視点を明確にしたシステム論的アプローチを提唱し、直接的技法と間接的技法を体系化したことで知られている。
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