地域看護
感染症対策、健康危機管理について
参考文献:保健師業務要覧/日本看護協会出版会/2008
《感染症対策》
*感染症対策の基本*
感染症の発生には病原体、感染経路、宿主の感受性の三大要因が揃っていることが必要である。
<病原体への対策>
病原体を身体外において化学的あるいは物理的手段で直接に殺す「消毒」
病原体・非病原体を問わずにすべての微生物を死滅させる「滅菌」
病原体に感染しているヒトや動物などを伝染可能期間中は他から引き離す「隔離」
空港・港や国境でチェックを行い必要に応じて停滞させる「検疫」
<感染経路への対策>
病原体に応じた感染経路があり、その遮断がそのまま予防対策となる。直接伝播の接触感染を防ぐ手洗いの励行や手袋・ガウンの装着、飛沫(核)感染を防ぐマスクなどがある。
間接伝播の場合、食品媒介感染における飲料水や食品の衛生管理、動物由来感染症における昆虫や鼠族等の媒介動物の駆除やペットの健康管理などがある。
<感受性者への対策>
非特異的には健康の保持増進であるが、その他に化学療法剤を用いた化学予防(マラリア)、免疫血清やγグロブリンによる受動免疫、予防接種などがある。
*感染症対策の法令*
<検疫法>
検疫所からの通報により地方自治体...