『教育相談の3段階』
学校における教育相談活動には3段階ある。啓発、予防、治療である。本レポートではこの3段階について説明し、それぞれの段階での教員としての児童理解のあり方と対応について述べる。
第一段階は啓発である。これは問題を起こさない健康な心の素地作りである。まず基本となるのは、教師が健康な心の発達に関する理解をすることだ。特に小学校では個々の児童ごとに発達段階の差が見られる。発達の遅れが見られる児童に対して、教師は補償の教育をする必要がある。また発達の進んだ生徒が「同じ学年だからできて当たり前だ」と考え、発達の遅れた生徒に対して憤りを感じる場面もあるだろう。そのような場合は教師が、発達が進んでいる児童の理解を促すとともに、その子にローモデルとして活躍できるような場を与えると良い。
また、発達させたい心理的要素について、認知行動理論に基づく「行動変容プログラム」を継続的に実施することも可能だ。このプログラムは「準備段階」、「プログラムの実施」、「終結」という3段階で構成されている。「準備段階」において教師は問題の査定やニーズアセスメントを行い、また、生徒・学級・学年・学校内のレ...