『教材研究』
学習指導案とは、単位時間の指導計画だ。教師が毎時の学習指導を意図的で計画的に展開するための設計図だといえる。この設計図作りに真剣に取り組むことが良い授業の始まりである。学習指導案の書式に決まったものはないが、①単元名、②単元設定の理由、③単元の目標、④指導計画などを示し、後半には、⑤本時の計画についての(ア)ねらい、(イ)展開、(ウ)評価の観点を示すのが一般的である。
本レポートでは小4の学習単元「玉川兄弟と玉川上水」を取り上げる。玉川上水は承応二年(1653年)1月13日徳川幕府により開発命令が下されたものである。多摩川の水を上流の羽村で取り、四谷まで堀を引き、そこから地下にもぐって地中の石の樋により江戸の町に分けるという計画だった。玉川兄弟(庄右衛門と清右衛門)は、その中で羽村から四谷・大木戸までの約48kmの区間を請け負った。もともと江戸の町は湿地と台地からなる水の乏しい土地で、最初は神田川や赤坂のため池で市民の飲料水をまかなっていた。やがて町の発展とともに急激に人口が増えたため、水不足となり開発命令が下されたという経緯がある。この工事によってまず、江戸の町により多...