私達は、身近な家族や地域社会からグローバルな政治・経済まで、さまざまな社会状況が大きく速く変化する時代に生きている。その変化は、一方では私たちの日々の意識、行為、あるいはコミュニケーションの変化として現れ、他方では政治・経済体制、社会制度、社会階層などの変化として現れる。
社会学では、ミクロな人間関係からマクロな体制や制度まで、社会の諸部分の関係のパターンがある程度一定に保たれる場合に、それを社会構造と呼び、社会構造に一定の変化が生じる場合に、それを社会変動と呼ぶ。
社会変動を分析するにあたって19世紀に活躍した社会学者であるテンニース・デュルケム・ジンメルの3名が展開した考え方を簡単にまとめてみたいと思う。
テンニースは、相互作用や集団をつくりだす人間の思考や意志が、実在的・自然的な本質意志から観念的・人為的な選択意志に移行するのに伴って、社会を構成する集団類型がゲマインシャフトからゲゼルシャフトに移行すると考えた。
デュルケムは、社会的分業の進展に伴って、人々を結びつける連帯の形態が、同質的な人々の機械的連帯から異質的な人々の有機的連帯に移行すると考えた。
社会変動論は、さらに抽象...