フロイトの精神分析とは、人間の心理を研究する事によって人間の心を理解しようとする学問で、人間以外の動物での研究結果をそのまま人間に当てはめたり、その結果から人間の心理を類推したりはしない。
フロイトの説いた学説は多数あるが、その中から興味深い事象である本能について考えて見ることにする。
本能とは生存と生殖の事である。自分が生きて子孫を繁栄させるにはどうするべきかという情報が遺伝子に組み込まれており、動物はそれに従って生きている。
しかし、人間の食欲や性欲は本能とは呼ばずに欲動と呼ぶ。
フロイトは大人の性欲を性器性欲、子供の性欲を幼児性欲と呼び区別した。
幼児性欲は性器結合を目的とするのではなく、身体全体が一つの性感帯であり、大人の性欲のように性器集中型ではないとした。
また、幼児性欲は母親のおっぱいを求める口唇期、自分で排泄を覚える肛門期、性欲が性器に集中する男根期、親離れの潜伏期、そして性器の結合を目指す性器期へ移行していくものとした。
人間の性欲はセックス=生殖ではなく、文化であり文化であるからこそ、フェティシズムや様々な体位やオーラルセックスといったバリエーションが存在している...