2010年の最新版です。A評価です。
本テキストで述べる社会科授業の基本構造について説明し、平成20年度版学習指導要領における社会科の教科目標との関連を考察しなさい。また基本構造に基づく社会科授業のあり方について、幾つかの理論に触れつつ具体的な授業事例を挙げて説明しなさい。
社会科授業の理論は他のどの教科にも通用する授業の理論と社会科固有の授業の理論からなっている。社会科の授業も各教科共通の授業理論から独立して展開されるわけではなく、多くの場合はその共通の授業理論と重なっている。
社会科固有の授業の理論は、直接的に『社会認識を通して市民的資質を形成する』という社会科教育の本質的目標につないでいくことにより見えてくる。すなわち、社会認識内容を具体的に育てることのできる理論であるかどうかということである。社会認識内容を豊かに育成し、それを判断材料として価値判断させることにより、市民的資質が育つのである。
総合的な学習の時間と社会科は身近な地域を学習対象とする点では重なりが大きいため比較され、影響を受けることが多い。内容知よりも方法知を重視する総合的な学習の時間の影響で社会科まで認識内容をおろそかにしてはいけない。『社会科は内...