2.実演家のワンチャンス主義について説明し、それに対する見解を述べよ。 ワンチャンス主義とは、実演家 の著作隣接権の一つに録音権・録画権がありますが、この録音権・録画権については、映画の製作等の際に自己の実演 を録画・録音することを了承した場合には、以後、その録画・録音を利用するに際して原則として権利が及ばないことを言います。
従って、映画に出演し、録音・録画に同意した俳優等は、最初の出演契約の際に、映画の二次利用に関する件について、決めておかなければいけません。つまり、DVD化やテレビでの放映に際して、どのような条件で利用可能できるのかということを取り決めておかなければ自分たちの利益を確保することができなくなります。このような意味でワンチャンス主義という言葉が使われています。
逆にいうと、映画の俳優が、録画・録音に同意した場合には、著作権者たる映画制作会社は、その映画を、出演者の許諾なしに二次利用してDVD化することができます。
ワンチャンス主義とは、前述したように実演家の基本的な権利行使のチャンスが1回しかないように読めます。
しかし、実演家の権利行使が1回という制限がかか...