『V.ローンフェルドの研究に基づいた「なぐりがきの段階」から「決定の時期」に至るまで、6つの発達段階ごとの描画傾向について論述すること。その際、顕著に現れる表現パターンを4つ以上とりあげ、それぞれについて説明すること。』
なぐり描きの段階(2~4歳ごろ)
乳児期~幼稚園年少期の子どもははいはいから立位が可能になる。支えとしての手や腕から、自由に使える手や腕を得た子どもは、パスやペンなどの描画材を持ち、点を打ったり、線を描いたりすることがかのうになり、それを楽しむ。自分で意図した点や線ではなく、手や腕の動きの奇跡がそのまま点や線に現れること、それ自体を楽しんでいるのである。この表現のことをスクリブルといい、この行為の繰り返しから円や渦巻きに変化して、リズミカルな線の表現が生まれてくる。
3歳~4歳頃(幼児前期)になると、手や腕の動きが上下左右運動に加え、円運動も現れる。つまり、円や渦巻きという閉じる形が描けるようになるのである。手と目が連動して動くようになり、点や線という一次元の表現が、円という閉じる形により二次元の面の表現が生まれる。しかし、これは、意図的なものではなく偶然性...